<中日2-7巨人>◇5日◇ナゴヤドーム
勝利を手元にたぐり寄せる1発だった。初回に4点を先制し、2点差に迫られた2回無死一塁、巨人小笠原道大内野手(34)が右翼席へ14号2ランを放った。1度つかみかけた流れを渡さない。勝利への思いをバットに凝縮させた。「うまくたたけました。2点取られた後だったので、いい形で取り返せました」。手に残る最高の感触とともに、勝利に貢献できた喜びが胸を包んだ。
“主演男優賞”の活躍だった。1回無死一、三塁のチャンスに、先制の適時二塁打を放ち、この回、打者一巡の猛攻で一挙4点。2回に2点、3回にも1点を追加し、試合の主導権を握った。勢いに乗った打線は、今季3度目の先発全員安打で快勝を導いた。打つだけではない。5回には和田の痛烈なゴロをダイビングキャッチ。守備でも助けた。打線の火付け役、試合を決める1発、ファインプレー、1人3役をこなし勝利をもたらした。
悔しい思いをバットに込めている。ここ数試合、左投手が先発の試合ではベンチを温めるケースがある。昨年手術した左ひざの状態を整えるための原監督の配慮と分かっているが、「やっぱり試合に出たいよ」と漏らす。それにはプレーで示すしかない。チームプレーを大事にする男はバットを黙々と振り、懸命にボールを追いかけている。
原監督は「ガッツの2ランが大きかったね。コンディションも上がってきたし、動きも良くなっている」と、復調に手応えを感じた。ガッツの復調が反撃の号砲。首位を走る阪神とは12ゲーム差だが、2位中日とは1・5差。まだまだあきらめるわけにはいかない。【久保賢吾】



