<中日2-7巨人>◇5日◇ナゴヤドーム

 中日森野将彦内野手(29)の打球は鋭く左翼線を襲った。5回の第3打席、巨人高橋尚の外角直球を逆らわずに打ち返した。左足は気にならない。全速力で二塁へ走った。1回には無死一、三塁から二ゴロで1打点。9回には内野安打で、4打数2安打1打点を記録した。5月14日ヤクルト戦の左ふくらはぎ肉離れ以来、53日ぶりの復帰戦でいきなり2安打だ。

 敗戦の中、待望の3番打者が戻ってきたことが一筋の光明だった。落合監督は1日からウエスタンリーグに出場していた森野を登録してすぐに3番中堅でスタメン起用。試合前には「森野」の名前がコールされるとファンから拍手がわき起こった。「試合に出られてよかったですが、まだまだです。特に守備での勘が鈍い」。試合後は打球方向を予測する勘が鈍っていることを課題としたが、それも試合に出れば解消できる。

 「収穫?

 そう考えればいいんじゃないか。あとは再発しないように本人が自覚して予防するでしょ」。落合監督は森野復帰を歓迎し、そして2度と離脱しないことを願っていた。【鈴木忠平】