<阪神5-3巨人>◇8日◇甲子園
見慣れない光景だった。4点リードの9回。球児が登板した。いきなり先頭ラミレスに1発を浴びた。初球の144キロ直球が真ん中に入り、左翼席まで運ばれた。本塁打は5月4日中日戦(ナゴヤドーム)で李にサヨナラ被弾して以来、今季2本目だ。
それでも3点差あるという安心感は徐々に薄れた。1死から自身の失策で走者を許し、7番坂本には右前打を許す。2死一、二塁からは古城に左前適時打を浴びた。2点差に迫られた。フォークの制球が定まらない。そして1番高橋由には四球。2死満塁。一打同点の場面をつくり、苦しんだが代打鈴木尚を遊飛に仕留め、なんとか逃げ切った。
「また頑張ります」。そう話し、球児はクラブハウスに向かった。疲れがあるのかの質問に「いや、何もなかった。そんなことはない」と言い訳はしなかった。
思わぬ乱調に岡田監督も驚きを隠せなかった。「あそこまで行くとは思わなかった。ウィリアムスと久保田の2人に安心していたんやけどな。野球ってあんなもんや」。安定感を欠いていた「JK」が、ともに1イニングを3人でピシャリ。すると「F」がつまづいた。本当に野球は何があるか分からない。藤川への信頼は揺るぐことないが、ほんの少しでも芽生えた不安は、次戦で振り払いたい。【佐井陽介】



