<広島3-0中日>◇8日◇広島
この男が乗ってきたら強いぞ!
広島大竹寛(25)が中日打線を6回1/3を無失点に抑え、4勝目を挙げた。なかなか結果がともなわなかった開幕右腕が今季初の連勝だ。ピンチを何度も招き、最後は足をつりながらも粘り強く、先発投手の務めを果たした。大竹を継いだリリーフ陣も万全、打線も効果的に得点と投打が完ぺきにかみ合ったナイスゲーム。再び借金1で、今季初の勝率5割到達へ、再びリーチをかけた。
うれしさと反省が入り交じった複雑な表情だった。しかし声にはハリがある。勝利に導いた実感が大竹の全身を支配していた。
「チームが勝ったのがよかったです。石原さんのリードのおかげで何とかなりました。(中日について)相手がどうとか考えず、自分の投球をすることだけを考えた。野手の皆さんのおかげです」。
お立ち台に立ったヒーローの言葉は謙虚そのもの。確かに味方の好守や好救援にも助けられた。「勝たせてもらった」という思いが強かったようだ。
苦しい107球だった。2回は2死から連打で一、三塁。3回も2死から安打と連続与四球で満塁。5回には先頭の投手の山本昌に四球を与え、場内からはブーイングも浴びた。しかし大竹は強かった。勝因は心の強さに尽きる。
「やっぱり、勝ちたい。勝つために僕は投げている。自分で招いたピンチでもそうでなくても、目の前の打者を抑えるという強い気持ちを持って投げた」。制球は乱しても心は乱さなかった。いずれのピンチもベストピッチでしのいだ。
試合後に吉報を聞いた。この日の昼すぎ、ドジャース黒田が7回まで完全試合の好投で1安打完封。「すごい。本当にすごいですよ。黒田さんが向こうに行く前に『お互い頑張ろう』と言ってもらった。僕の励みです。頑張らないといけない」。故障と闘い、同じく勝ち運に恵まれなかった大先輩の奮闘が大竹を刺激していた。
7回は1死一、二塁としたところで降板。実は6回終了後に右足ふくらはぎをつっていた。ベンチで水分補給とストレッチを念入りに行い、7回も続投。体は限界に来ていた。「悔しいです。中継ぎの皆さんに頼っていてはだめ。最後まで投げたかった」。責任感が現れていた。【柏原誠】



