＜広島７－８中日＞◇１０日◇広島

　中日は延長１１回にウッズの２０号決勝ソロで広島を振り切って連敗を４で止めて２位を守り、自力Ｖが１日で復活した。

　土壇場で踏みとどまった。自力優勝を復活させる打球が右中間スタンドへ飛び込んだ。延長１１回、中日ウッズが広島シュルツのスライダーをたたいた。決勝の２０号ソロ。「強く振ることだけ考えていたよ。とにかく今は１試合、１試合、勝つしかないんだ」。７点差を追いつかれながら、最後は主砲の５２打席ぶりの１発で何とか勝った。

　勝つことはこれほど難しいのか？

　４時間２８分の総力戦を終えた落合監督は疲労感を漂わせた。「そりゃあ、そうだよ。負けるのは簡単さ」。Ｂクラス転落はすぐそこに見えていた。４回表が終わった時点で７－０とリードしていたが、これが安全圏とならないのが今のオレ竜だ。５点リードの６回から２番手吉見が５安打を集中されて７－５。７回には３番手高橋が１死二塁とされると嶋の左前打を和田が後逸。さらに一、三塁から石原のゴロを二塁荒木がはじいた。大事な場面で２つのエラーが出て、同点とされた。

　「この展開？

　予想していたよ。そうじゃなきゃ７点差でスクイズ出さないだろう？」。落合監督は自嘲（じちょう）気味に笑った。７点リードの４回、森野にスクイズを命じて８点目を取りに行った（結果は失敗）。投手を中心とした守りに不安を抱えるからこその采配だった。

　負ければ４位転落もあった。不安だらけのオレ竜がやっとのことでつかんだ白星。浮上のきっかけとなるのか。その答えはまだ先にある。【鈴木忠平】