<阪神0-5巨人>◇23日◇甲子園
阪神金本が珍しく怒りをあらわにした。5点を追う8回裏2死二塁。カウント0-1からの2球目。真ん中高めのフォークを強振したが、平凡な左飛に終わった。打球の行方を見届けると、右手でヘルメットを脱ぎ、思い切り地面にたたきつけた。正念場の9連戦で、34打数3安打。打率は1割にも満たなかった。「また仕切り直しか」と問われると、静かに返した。「そう、そういうこと」。
決して調子が悪いわけではない。2回の打席は、他の球場では間違いなく本塁打になっていた。グライシンガーの直球をジャストミート。しかし打球は右中間フェンスの手前で失速した。「完ぺきよ。この球場はなあ…」。手応えは十分だったが、浜風に押し戻された。
主砲の沈黙とともに、打線も低調だった。巨人4投手の継投の前に、5安打で今季7度目の完封負け。それでも岡田監督は前向きだった。「何とか乗り切った。新井がいない中で、得点力が下がるのはしゃあない。何とか五分五分でな」。新井が腰痛で欠場し、金本の成績が低調でも、9連戦を4勝5敗でフィニッシュ。打線の軸が機能せずとも、総合力で難局を乗り越えた。22日に点灯したマジックも、中日の敗戦で1つ減って「45」になった。
さらに前向きな材料がひとつある。岡田監督は8回の主砲を振り返った。「最後、怒っとったな。甘い球やろ」。このシーンは確実に、25日からの中日3連戦に必ずつながるはずだ。



