<中日3-8広島>◇23日◇ナゴヤドーム

 中日が逆転負けを喫し、連勝は3でストップ、今季初の同一カード3連勝も逃した。3年目左腕の先発佐藤亮が5回、栗原に痛恨の逆転3ランを被弾。プロ初勝利を逃し、チームの上昇ムードも断ち切った。大学・社会人ルーキー山内壮馬投手(23=名城大)が2番手でデビューしたが、流れは引き戻せずじまい。打線も広島投手陣の継投に5安打3点に抑えられ、歯車がかみ合わない今季の戦いを象徴する1戦となった。

 落合監督は薄ら笑いを浮かべていた。「今日は何もありません」。広島3連戦は試合後の会見ですべて同じ言葉を使った。この日は「何?

 何もないよ!」といらだっていた。連勝が「3」で止まったこの日の「何もない」は、大勝が続いた前日22日までのセリフとは意味が違った。

 好投の先発佐藤亮が心のすきをつかれた。2-1の5回2死二塁でアレックスをカウント2-1から内角スライダーで空振り三振を奪ったと確信し、左手でガッツポーズをつくった。だが実際はバットをかすったボールがワンバウンドで谷繁のミットに収まっており「ファウル」。仕切り直しとなったが、気持ちがついてこない。3球連続ボールで四球。続く栗原に逆転の14号3ランを浴びた。勝利投手の権利まであと1死で崩れ「勝負どころでああいう形になってしまった。チームがいい流れできていたのに逆転を許してい申し訳ない気持ちでいっぱいです」とうなだれた。

 森バッテリーチーフコーチは「(2軍に)落とす。経験のなさだ。(栗原の)本塁打じゃない。アレックスへの四球が悪い。10日過ぎたら上げないといけないだろうがな」と話した。球宴期間中は登板機会がないため、ファームで再調整する。

 今季初の同一カード3連勝を逃した。山本昌、チェンで連勝したが、この日の先発はプロ未勝利の佐藤亮。連勝で乗っていきたい1戦で、先発が今季2試合目の左腕をたてざるを得ないところに中日の苦しさがある。現在は中田が1軍に復帰しているが、朝倉、吉見が2軍調整中。苦しい台所事情が際立つ結果となった。

 これで2位巨人と1・5ゲーム差に開いた。明日25日からは3勝10敗1分けと分の悪い阪神と3連戦。オレ竜は波に乗りきれないまま、甲子園に乗り込むことになった。【益田一弘】