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金本打てない自分に怒り、阪神完封負け

8回、凡打の金本はヘルメットをたたきつける(撮影・河南真一)
8回、凡打の金本はヘルメットをたたきつける(撮影・河南真一)

<阪神0-5巨人>◇23日◇甲子園

 8回裏。4打席凡退した金本は、自分に怒っていた。顔を真っ赤にし、ヘルメットを思い切り地面にたたきつけた。この日、4勝5敗で終了した9連戦は、わずか3安打に終わった。チームは今季7度目の完封負けを記録したが、7月だけですでに4度目。4番として責任を感じざるをえなかった。そこで見せた闘争心。それは逆境に強い男の反撃宣言でもあった。

 金本が珍しく怒りを露わにした。5点を追う8回裏2死二塁。カウント0-1からの2球目。真ん中高めのフォークを強振したが、平凡な左飛に終わった。打球の行方を見届けると、右手でヘルメットを脱ぎ、思い切り地面にたたきつけた。正念場の9連戦で、34打数3安打。打率は1割にも満たなかった。思わぬ結果だ。いら立ちが募り、その矛先を自らに向けた。試合後は「また仕切り直しか」と問われ、静かに返した。「そう、そういうこと」。

 決して調子が悪いわけではない。2回の打席は、他の球場では間違いなく本塁打になっていた。グライシンガーの直球をジャストミート。しかし打球は右中間フェンスの手前で失速した。「完ぺきよ。この球場はなあ…」。手応えは十分だったが、浜風に押し戻された。予測した到達点はもっと先にあった。「(右中間スタンドの)看板ぐらいかな」。ベンチに戻った金本は思わずつぶやいたという。ただでさえ広い球場。今年の浜風は例年以上に強いという印象がある。9連戦のうち、5試合が本拠地のゲーム。ここにきての打率急降下は環境に泣かされた側面もある。

 主砲の沈黙とともに、打線も低調だった。巨人4投手の継投の前に、5安打で今季7度目の完封負け。それでも岡田監督は前向きだった。「何とか(9連戦を)乗り切った。新井がいない中で、得点力が下がるのはしゃあない。何とか五分五分でな」。新井が腰痛で欠場し、金本の成績が低調でも、9連戦を4勝5敗でフィニッシュ。打線の軸が機能せずとも、総合力で難局を乗り越えた。前日22日に点灯したマジックも、中日の敗戦で1つ減って「45」になった。これこそが首位をひた走ってきたチームの強み。負けて優勝に一歩近づいた。これまでため込んできた貯金が、ものをいいだした。

 さらに前向きな材料がひとつある。岡田監督は8回の主砲を振り返った。「最後、怒っとったな。甘い球やろ」。このシーンは確実に、25日からの中日3連戦につながる。金本は追い込まれたときほど力を発揮する。例を挙げるなら、04年7月。700試合連続フルイニング出場の日本記録直前に、左手に死球を受けた。それでも翌日には右手一本で2安打した。この日は浜風という難敵に闘争本能をくすぐられた。金本の怒りはズバリ「買い」だ。主砲のバットが、優勝マジックを一気に減らしてくれる。【田口真一郎】

 [2008年7月24日11時42分 紙面から]


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