<阪神4-6中日>◇27日◇甲子園

 中日山本昌が史上24人目の通算200勝に王手をかけた。首位阪神を5回4安打1失点(自責0)に抑え、3連勝で6勝目を挙げた。敵地に響く竜党の「マサ・コール」が心地いい。「あまり調子がよくなかったから余計に丁寧に投げた。あと1つ?

 1つ勝つのが大変。とにかく1戦1戦投げるだけです」。チームの連敗を3で止め、昨年9月28日から続く甲子園・阪神戦の連敗も8で止める価値ある白星だった。

 コントロールで阪神打線を封じた。4回、先頭平野の打球を名手井端がまさかのエラー。そこから無死一、二塁のピンチを背負ったが、4番金本を内角低めぎりぎりの直球で見逃し三振。2死から鳥谷に右前タイムリーを浴びて先制を許したが、6回に打線が逆転してくれた。かつて虎キラーと呼ばれ男は、阪神戦の通算勝利を歴代5位の44勝に伸ばした。

 球宴明けの8月3、4日の巨人戦(ナゴヤドーム)で200勝をかけることが濃厚だ。しかも達成なら横浜工藤を抜いて史上最年長での記録となる。その栄誉を手にするために山本昌は趣味のラジコンを断っている。今年に入って1度も操縦機を握っていない。「何かをやろうと思ったら何かを我慢しないとだめでしょ」。禁煙、禁酒ならぬ禁ラジ…。すべてが報われるまで、あと1勝に迫った。【鈴木忠平】