<西武2-6オリックス>◇28日◇西武ドーム
もう、誰の代役でもない。1点を追う4回表2死満塁。オリックス一輝が制球を乱し始めた西武涌井の気持ちを読んだ。押し出し四球を嫌がる相手を逆手に取り、直球を待った。内角への145キロ直球を迷わず強振した。打球は左翼席へ飛び込む逆転の5号満塁弾。三塁側ベンチ前で手荒い祝福を受けた。
ベースを回りながら考えていたのは「三振しなくて良かった…」だった。「あそこで三振するとムードが悪くなる。最低でも同点に追いつきたいという一心で打った結果です」。大引、後藤の故障離脱で二遊間に入ることが多いが、この日はローズの腰痛欠場で北川が一塁に入り、一輝は三塁先発。読みとひたむきさが試合を決めた。
大物打ちはお得意だ。5月20日の阪神との交流戦ではウィリアムスからプロ初打点となる決勝打。6月には日本ハムダルビッシュから2安打するなど、直球系の強さは群を抜いている。だが強いスイングは代償も伴う。今月22日には左足首への自打球の影響で38度の発熱。「抹消とも思ったけど、大石さんから2日休養をもらった」と、指揮官の期待を全身で感じていた。
大石監督代行も「打った一輝がすごい。最近は活躍しても驚かない」と信頼を深めた。大きく負け越してきた首位西武を打ち砕き、7月は15勝7敗1分けと月間首位が決定。クライマックス・シリーズ圏内も見えてきたが「先発も中継ぎも安定しているし打線もつながりがある」と手応えを感じている。8年連続Bクラスだったチームの快進撃を、もう誰も驚かない。【今井貴久】



