<西武16-2ロッテ>◇4日◇長野

 五輪組が抜けた不安を、長野の熱い夜が忘れさせた。西武がリーグ記録に並ぶ5イニング連続アーチをロッテ戦で放った。中島の代役で3番に入ったボカチカが1回に3ラン、2回に満塁弾と2打席連発。3回に石井義、4回に中村、5回に平尾と1発攻勢。打者有利の風にも乗って、打球は面白いようにフェンスを越えた。

 前半戦“恐怖の9番”と呼ばれたボカチカは、後半戦から1軍に昇格した。3番中島の代役として起用され、テンションが上がった。前日は渡辺俊に手も足も出なかったが「昨日は暑くて体調が100%じゃなかったからね。3番は、9番よりもランナーがいて集中できる。1試合7打点は記憶にないよ」と試合後も興奮は冷めなかった。

 5イニング連続アーチは球団3度目。91年には1回に清原、石毛、2回に田辺、3回に石毛、4回に伊東、5回にデストラーデが1発を放った試合で、先発完投したのが渡辺監督だった。当時の記憶は定かではなかったが、先月20日にロッテ戦で0-16で敗れた屈辱は忘れられなかった。「14-0の時、あと2点入らないかと思ってた。五輪の代役がよく打って穴を埋めてくれたよ」。6発で同じ得点を挙げ、強烈すぎるインパクトで雪辱した。【柴田猛夫】