<広島4-0中日>◇14日◇広島

 五輪組の穴ポッカリ…。3位に甘んじる中日が攻守に精彩を欠き、4位広島に連敗して2ゲーム差に迫られた。中日荒木雅博内野手(30)、森野将彦内野手(30)の抜けた打線は、広島大竹の前に3安打無得点。守備では荒木の代役二塁手デラロサがまずい守備を連発し、失点のきっかけをつくった。投げては川上、岩瀬、チェンが抜けた投手陣で3カ月ぶりに先発に抜てきされた川井が、6回に痛恨の2ランを被弾。苦しいチーム事情があらためて浮き彫りになった。

 落合監督は無残な黒星を無表情で振り返った。「何と言っていいのかな。打てると思って組んだ打線が打てないんだからしょうがない。そんなに守れるチームじゃないんだから」。今季6度目の完封負けを喫したが、現状では“特効薬”がない現実を口にした。

 荒木、森野の五輪組不在に泣かされている。13日に続き中村紀をつなぎ役の2番に据える打順を組んだが、走者を得点圏に進めたのは初回だけ。中村紀も4打数0安打に終わり、5回以降は四球の走者を1人出しただけで計3安打に封じられた。森野の代役で3番に入る李も、12日に1試合2発を打ったがここ2試合は8打数無安打。この日は髪をばっさり切った気迫も空回り。五輪組が離脱した後の7試合はオール1ケタ安打と、打力低下は隠しようがない。

 守備でもほころびが目立った。荒木の代役で二塁に入るデラロサは0-0の6回1死で東出の打球をはじき(記録は安打)、直後に赤松の7号2ランが飛び出した。この回さらに嶋の二ゴロを落球する失策でピンチを広げ、1死満塁でシーボルが中犠飛を放った際には本塁返球のカットに入ることも忘れた。「自分が位置を間違っていた。井端に注意されたし悪いことをした」とうなだれた。

 落合監督は「デラロサは(二塁は)素人だから。もともとショートの子だ」とかばったが、五輪期間中は3勝3敗1分けと波に乗れない。4位広島に2ゲーム差に迫られ、3位の座も怪しくなってきた。【益田一弘】