<中日0-2ヤクルト>◇16日◇ナゴヤドーム

 中日ヤクルトに4安打完封負けして97年8月以来の3試合連続完封負けとなり、ついに貯金を使い果たした。後半戦で貯金0となるのは落合博満監督(54)が04年に就任してから初めてで、連続無失点イニングは34に伸びた。ヤクルトと広島がともに1ゲーム差で4位に迫っており、3位の座も風前のともしびだ。

 満員の本拠地ナゴヤドームにファンのため息が響いた。中日打線はこの夜も4安打無得点だった。97年8月以来、11年ぶりとなる3試合連続完封負け。34イニング連続無得点で4連敗。ついに貯金ゼロとなった。

 試合後、緊急ミーティングが開かれた。落合監督は「それぞれに役割があるし、持ち味もある。それを出していけ」と、失意の選手たちに発破をかけた。その後、会見に姿を見せ「たまには遅くなってもいいだろ?

 ちょうど5割か?

 明日から開幕だと思ってやればいい」と話した。序盤の3回は再三チャンスをもらい、ヤクルト先発ダグラスを攻略できたはずだった。それでもあと1本が出ない。肝心な場面でミスが出る悪循環だった。

 初回、先頭の井端が死球で出塁すると2番岩崎が送りバント失敗。2回には無死一、三塁から谷繁が三振、佐藤充は送りバントを失敗した後、遊ゴロ。ここで三塁走者中村紀が三本間に挟まれてタッチアウト。井端も打ち取られた。3回には1死一、二塁から和田が併殺打にたおれた。

 5回にはついに落合監督が円陣を招集し、積極性の見られない打線にゲキを飛ばした。「1人1球、27球で試合が終わってもいいんだ!」。だが、皮肉にも5回以降はわずか1安打。「あり地獄の中に入ったんだ。みんなオレが何とかしようと思いすぎている。気持ちはわかるけどな」。3位はキープしたが、広島、ヤクルトとは1ゲーム差。過去4年間、経験したことのない惨状の中でオレ竜がもがいている。【鈴木忠平】