<ソフトバンク2-3オリックス>27日◇福岡ヤフードーム
大石監督のタクトに全員が役者になる。同点の9回表1死一、三塁。タフィー・ローズ外野手(40)の中前打で一塁から三塁まで激走したアレックス・カブレラ内野手(36)は、疲れを残している素振りだった。打席の小瀬はバッティングカウントの1-2から打ち気を漂わせる。馬原が4球目を投げた瞬間、スクイズに向かって一斉に動く。小瀬が投前に転がす。カブレラは滑り込まず決勝ホームを大またで駆け抜けた。
相手の裏をかき、大石監督はニンマリだ。「良く勝ちましたね。スクイズはいいカウントになったら、と待っていた」。カブレラに代走を送れば、相手が警戒する。延長を考えれば大砲を残してもおきたい。4回にはディレードスチールで1点を奪う機動力満載の連勝に「どうやったら1点を取れるかという野球は、見てる方もおもしろいですから」と会心の様子だった。
カブレラも「サインをたくさんは覚えられないが、スクイズとスチールは松山コーチと話はしている。(三塁までの激走は)いつも次のベースを狙っているけど、あの場面は中堅がちょっともたついていた。ただギャンブルだった」と話した。通算300本塁打でもチームの小技に体を張る。クライマックス・シリーズ進出へ、オリックスに勝利の引き出しが増えた。【今井貴久】



