<巨人7-1横浜>◇28日◇東京ドーム

 わずか1分あまりの間に、形勢はガラリと変わった。1点をリードされた初回、口火を切ったのは小笠原のバックスクリーン左への逆転2ランだった。その数秒後、今度はラミレス。内角高めの直球を左翼席上段へ運んだ。アベック弾が出れば負けないのは、これで10度目だ。この日はそこに谷も加わった。「勢いです。いや違うかな」。打った本人も戸惑うほど、目に見えない力に導かれるように本塁打が続いた。初回の3連発は78年8月9日の中日戦で王、張本、柳田が放って以来のことだった。

 原監督はこの試合に期するものがあった。上原と李の復帰を「1つの新しいスタート」と位置づけた。前日まで不調だったラミレスも「彼らは大きなメンバー。厚みが増した感じがするし、ここから力を合わせて戦っていければと思う」と気持ちを新たにした。

 谷は「上原に勝たせたいっていう気持ちがあった?

 みんなそのつもりだったと思う」と3連発を生んだナインの思いを代弁した。29日からは首位阪神との3連戦が始まる。「浮つかず、しっかり引き締めてやっていきたい」という小笠原だけでなく、みんなが、その3試合の重みを感じながら勝ちに行く。【竹内智信】