<阪神6-5中日>◇28日◇甲子園

 サヨナラ犠飛こそ林に譲った。だが4打点で阪神を勝利に導いた立役者は間違いなく金本だった。林と上がったお立ち台。「エ~、そうですネ。ヤッパリ。打ててヨカッタデス」。台湾出身の後輩独特のイントネーションで再三受け答えして、スタンドの爆笑を誘った。

 役者が違った。2点を追う3回1死一、三塁。カウント1-3。目の前に照明に引き寄せられた虫の邪魔が入った。仕切り直し直後、中日チェンの121キロ外角スライダーを迷いなく振り切った。打球は右翼スタンドに飛び込んだ。いったんは逆転となる21号3ラン。「まずい雰囲気だったですけど、うまいこと浜風が吹いてなくて入って良かったです。(甲子園の右方向は)記憶にないです」。本拠では今季2本目となる右方向への本塁打で、そのパワーを証明した。

 初回にはしぶとく左前にポトリと落ちる当たりで先制点をもたらした。そして5-5同点で迎えた9回裏。1死二塁から右前に運びサヨナラ機を演出した。この日猛打賞で通算安打数は2120を数えた。オリックス清原に肩を並べる、現役3位タイのヒットでもあった。

 「新井大選手の代わりはなかなかいないですけど、林ちゃんとか葛城とか、あのへんがやってくれると期待してます」。普段はいじくる弟分、新井の早期復帰を望みつつ、29日から本拠で迎える2位巨人との最後のヤマ場に気持ちを向けた。「明日から3つ、いい戦いができれば、はっきりと先が見えてくる。心して戦いたいと思います」。この頼れる主砲が確実にゴールに導いてくれる。【片山善弘】