<阪神6-5中日>◇28日◇甲子園
ユニホームがはだけても笑顔があふれた。ナインから手荒い祝福を受け、阪神林は心底から勝利を喜んだ。同点に追いつかれた直後の9回1死一、三塁。左腕高橋の速球を迷いなく振り抜くと、打球は中堅へ。三走平野を生還させるサヨナラ犠飛を放ち、試合を決めた。
「金本さんから、ずっと真っすぐで攻めていましたから。外野の立ち位置を確認して(三走の)平野だったらセーフになってくれる…」
前日27日はチャンスで2度凡退。この日はリベンジに燃えていた。7回には変速左腕の小林のスライダーを的確にとらえ、中前に運んだ。関本の適時打を呼び込む貴重な安打。前夜、打ち取られた借りを返した。
「昨日もチャンスでゲッツーを打ってしまった。今日は絶対そういうことがないようにしないと。気持ちで打ちました」
7月上旬に左ひざを負傷して、約1カ月、リハビリを強いられた。念願だった北京五輪出場も断念。悔しさをバネに変える。12日巨人戦から1軍に復帰した。歩調を合わせるかのように五輪の野球も開幕。絶えず母国台湾代表の戦いぶりを気に掛けた。携帯電話を手に取り、中国に国際電話を掛けたこともあった。代表に選ばれたチェン(中日)と談笑し、ねぎらう。「アイツ、いい投手になったよね」。フィールドは違えど自らの刺激に変えた。
主砲新井が離脱し、林のバットに寄せられる期待は大きい。調子も少しずつ取り戻しつつある。「(左投手も)もう少し打てれば、もう少し自信になる。感覚も昔に戻ってくると思う」。新井がいなくても、復調気配の長距離砲が、金本の後ろでにらみを利かせる。【酒井俊作】



