<日本ハム4-3ソフトバンク>◇4日◇札幌ドーム

 日本ハムが劇的な9回サヨナラ勝ちで、負けられない一戦をものにした。落とせば今季最多の借金3で5位転落となっていたソフトバンク戦。3-3の同点で迎えた9回裏1死二塁から、今季打率1割台と極度の打撃不振にあえいでいた主将の金子誠が決勝の左前適時打を放ち、3時間41分の熱戦にけりをつけた。2位オリックスから5位ロッテまでが2・5ゲーム差にひしめく混戦の中、クライマックスシリーズ(CS)進出へ、本拠地で大きな白星をつかんだ。

 金子誠は9回1死二塁。カウント2-2から、真ん中に入ったシュートに反応した。「真っ白でした」。無心、無欲ではじいた白球は、鋭いライナーで左翼へ飛んでいく。代走紺田がホームへ滑り込み、サヨナラ。「ああいういい当たりが奇跡的に出た」。コーラを浴びせかけられる祝福のシャワーには怒りの表情も見せながら時折、白い歯をこぼした。

 6月14日ヤクルト戦以来のサヨナラ勝ち。2位オリックスとの差は縮めることはできなかったが、ソフトバンクに3連戦で2勝1敗と勝ち越し。3位とは1ゲーム差と、まずは射程圏に入れた。「久々のサヨナラ勝ち。勢いが出るのでありがたい1勝」。梨田監督が、大きくうなずく白星になった。【高山通史】