<中日6-1横浜>◇6日◇ナゴヤドーム

 中日が勝率を5割に戻した。2年目の先発清水昭信投手(24)が5安打1失点でプロ初完投勝利となる2勝目をマーク。プロ初先発初勝利を挙げた前回登板に続き、激しいクライマックスシリーズ進出争いを続けるチームを支えた。パチンコのキャラクター「CR大工の源さん」に似ていることからつけられた「ゲンさん」愛称もすっかり定着。先発投手不足に苦しむチームを「確率変動」したゲンさんパワーでけん引する。

 2度目のお立ち台も夢見心だった。清水昭はインタビュー中に2度も背後のスコアボードを振り返った。8月31日広島戦のプロ初先発初勝利に続いてプロ初完投で2勝目。「今日もまだ夢のようでした。おれが立っていいのかな…。夢でもみていなかったから」。

 しきりに照れたが、胸を張れる快投だった。中5日の横浜戦。初回を3者凡退にして波に乗る。最速148キロの直球、130キロ台のスプリットフィンガー、120キロ台のスライダーで初対決の横浜を封じた。8回裏に首脳陣から続投を打診されて「いけます」と即答。9回を投げて123球、5安打1失点。最後の金城を打ち取り、初めて白い歯を見せた。「マウンドでは向かっていく気持ちだから表情は出さない。でも最後はほっとした」と笑った。

 山本昌の教えがあった。オフには鳥取のスポーツジム「ワールドウイング」で自主トレに励む。同じ施設を利用する19歳年上のベテラン左腕に、低めをつく投球術、フォーム、試合での心構えを伝授された。その言葉を書きとめたノートは、常にかばんに入れて持ち歩いている。「遠征のホテルや試合前の1人になる時間にいつも見ています」。

 プロ初勝利の夜は、山本昌から電話で祝福された。「おめでとう、といっていただきました。ものすごく感激した」。パチンコキャラクターとして有名な「大工の源さん」にちなんだ「ゲンさん」の愛称で、気軽に声をかけてくれる山本昌の励ましに応えるためにも「今日、勝たないと、この前の勝ちが消えてしまうと思った」。

 前日5日の山本昌の11勝目に続いて、2年目右腕の快投でチームは連勝。4日ぶりに勝率を5割に戻した。しかも今季8度目6人目の完投試合で、中継ぎ陣に貴重な休養をもたらした。落合監督は「投げるボールはそんなに悪くない。ただいつ代えようかと思われる投手だから。こいつに任したと思われて初めて一人前」と慎重。それでも「1人でも2人でもこういうヤツが出てくれば、休んでるヤツも少なくなるだろう」。故障者続出の先発陣に刺激を与える「ゲンさん効果」を口にした。【益田一弘】