2軍調整中の中日川上憲伸投手(33)が今月中に1軍復帰する可能性が出てきた。12日、北京五輪後初めて変化球をまじえた投球練習を行った。ナゴヤ球場のブルペンで捕手を座らせ約25分間。全60球のうち8球がカーブだった。北京五輪では慣れない中継ぎとしてチーム最多の5試合に登板。ダメージは大きかったもようで、8月24日に帰国してから背中の張りなどを訴え、本格的な投球練習を回避していた。

 一塁側のブルペンから何度もうめき声が上がった。川上は「フン」と声がもれるほどボールに力を込めた。ストレートを外角、内角とコースに投げ分けた。さらに「カーブ」と宣言して変化球にもトライし、回復ぶりを証明した。2軍の高橋投手コーチは「カーブはホームベース上にきていなかった。ストレートもシュート回転していたし(復調は)まだじゃないかな」と話した。

 今後はシート打撃などを経て復帰の機会をうかがうとみられる。練習後は何も話さなかったエースだが、無言で復活への思いを示していた。【益田一弘】