<広島7-1中日>◇19日◇広島

 昨年日本一の中日が、ついに4位に転落した。同率3位で並んでいた広島との3連戦第1ラウンド。1回に先制点を挙げたが、8月25日以来の登板だった先発中田賢一投手(26)が、4回途中4失点で降板。打線も主砲ウッズの欠場もあり1回の1点のみに終わった。04年5月17日以来、約4年4カ月ぶりのBクラス転落となった中日。クライマックスシリーズ出場が危うくなってきた。

 完敗だった。攻守に圧倒された。真っ赤に染まった広島市民球場を落合監督は敗軍の将として歩いた。「先発が打たれるとこうなる?

 まあね…」。じつに04年5月17日以来、1586日ぶりのBクラス転落。歓声、怒号が飛び交う中、帰りのバスまで厳しい表情を変えなかった。

 ゲーム差なしの3位タイで迎えた広島との直接対決。その正念場でアクシデントが起こった。試合前、いつものようにフリー打撃をしていたウッズが途中で打撃練習を中止するとベンチ裏のロッカーへ下がった。そして、そのまま球場の隣にある宿舎へ帰ってしまった。「落合さんに聞いてくれ!」。ウッズは怒気を込めて言い残すと通訳とともに外出した。ベンチ入り選手名簿には記載されていたが、実際は試合前からベンチにはいなかった。

 現場はドタバタだった。試合直前、ここ3試合スタメンから外れていた中村紀が急きょ「4番一塁」でのスタメンを告げられた。今季初の4番となった中村紀は初回2死三塁からの三塁ゴロこそ相手失策で先制点となったが、2打数無安打。ウッズを欠いた打線は広島投手陣の前に散発5安打1得点に終わった。

 「タイロン?

 体調不良だよ」。落合監督は理由を説明した後、貧打について「それは関係ない。他にも選手はいるんだから」と4番不在を敗因にはしなかった。ただ高代野手総合チーフコーチが「体調が悪いということ。明日?

 わからない」と言うように、きょう第2戦以降も欠場すればリーグ最低打率の打線が深刻な迫力不足となる。

 残り14試合でクライマックス圏外にはじき出された。「別に3位になるためにやっているわけじゃないもん」。CS不要論者の落合監督は不変の姿勢を貫いたが、4位という現実とのギャップがあまりに厳しく、寂しい。【鈴木忠平】