<ヤクルト3-1阪神>◇6日◇神宮

 阪神と巨人が、ともに4試合を残して81勝56敗3引き分けで首位に並んだ。0・5ゲーム差で単独首位に立っていた阪神はヤクルトに1-3で敗れ、8日の直接対決(東京ドーム)まで試合のない巨人と全く同じ数字になった。打線がつながらず、4回の金本知憲外野手(40)の26号ソロによる1点に抑え込まれた。7日の横浜戦(横浜スタジアム)を落とせば、今季初めて首位から陥落し、巨人に初のマジック3が点灯する。巨人との決戦を前に、負けられない一戦を迎える。

 阪神は神宮で喫した痛恨の1敗で宿敵巨人と、勝ち数、負け数、引き分け数に試合数まですべてが並んでしまった。4回3失点で降板した先発リーソップの後を江草、渡辺が無失点に抑えて反撃を待ったが、この日も打線は湿りっぱなし。岡田監督は「いやもう、言うことはこれまでと一緒になる。もうここまで来て同じ事ばかり言ってもしゃあないんやけど」とぼやくしかなかった。

 2点を追う4回、1死走者なしで金本が右翼席へ26号ソロを放ったが、後が続かなかった。8回まで毎回走者を出すもホームは遠かった。岡田監督は「うーん(安打が)単発だからな。ノーアウト(の走者)はなかったんちゃうか。そうなると、なかなかな」と嘆いた。前日に8点を奪った猛虎打線は、1日で逆戻りした。

 切り込み隊長の赤星の死球退場も痛かった。3回2死。セーフティーバントをしようとして内角球を避けきれず、左手に当たった。CT検査などの結果「左手の打撲」と診断された。骨に異常がなかったことが救いだった。ここまでチームトップの170安打で打率3割1分3厘のリードオフマンを欠いては、巨人とのデスマッチに到底勝ち残れない。赤星に関し、最初こそ岡田監督は「骨は大丈夫だったみたいだけどな。明日は様子をみてになるけど」と慎重に話していた。だが「代わりを用意するか」と問われると、表情を変え「代わりて、明日試合に出るよ!」と言い切った。

 1戦目の逆転負け、2戦目のドローでは怒号や激しいヤジが飛んだ神宮球場が、この日は温かかった。「オカダ~頼む~」、「頑張れ~」と哀願するような声援に包まれた。「残り4試合の勝負なのは、選手みんなが分かっていることよ」と岡田監督はチーム全体が1つになって戦うことを言葉にした。3年ぶりの優勝へ、勝つしかない。【町田達彦】