今季限りで現役引退を表明した楽天小倉恒投手(38)が6日、Kスタ宮城で引退会見を行った。チャンスを与えてくれた野村監督に心から感謝し、今後については未定も「野球に携わっていきたい」と話した。ソフトバンク王監督が7日の最終戦でユニホームを脱ぎ、オリックスの清原が引退する今季、イヌワシ軍団を支えてきたベテラン右腕も、16年間のプロ生活にピリオドを打つ。

 「ここまでできるとは思わなかった。ファンや球団スタッフ、コーチのみなさんのおかげです」。小倉は時折、声を詰まらせながら、16年間のプロ生活を振り返った。今季はここまで8試合の登板にとどまり、4本塁打を浴びるなど球威の衰えは否めなかった。中継ぎ、抑えとして球団創設元年から楽天を支えた右腕が、グラウンドを去る。

 プロ入り当時のヤクルト監督は野村監督。小倉は05年オフに楽天を戦力外となったが、同時期に監督に就任し、トライアウトで再雇用してくれたのも野村監督だった。06年にチーム最多の58試合に登板し、6勝を挙げて日刊スポーツ東北総局選定の年間MVPにも選ばれた。小倉は「最初も最後も野村監督の下でやれて、幸せです」と話した。引退後の進路は未定だが、野球に携わる道に進むつもり。野村監督からは「選手は(現役が)終わってからの方が長い。しっかり考えろ」と言われたという。

 7日はベンチ入りし、中継ぎで待機する。くしくも、辞任を表明したソフトバンク王監督と同じ球場でユニホームを脱ぐ。オリックス時代に出場した球宴で交流もあり「偉大な方と同じ日だけに、記念になるね」。2人の名将に見守られて、小倉が最後のマウンドに立つ。【由本裕貴】