10・8相星決戦だ。7日横浜戦が雨でノーゲームになった阪神は8日、ここまで81勝56敗3分けのまったく同じ成績で首位に並ぶ巨人と最終決戦を迎える。1回表で終わった横浜戦では、6日の死球が影響された赤星が打ち、不振の新井も幻の適時打。阪神、巨人どちらが勝っても優勝マジックが点灯する大一番。気持ちを高め、いよいよ激突だ。

 雨を吹き飛ばす頼もしい言葉が赤星の口から飛び出た。手負いの状態でも気迫は全開。6日ヤクルト戦で左手親指付け根に死球を受け、打撲と診断された赤星が、巨人戦を前に、周囲の不安をバットで一掃。大一番に立ち向かう。

 「昨日は『終わった』と思ったけど折れてないんで出られる。特にきょうの1打席目は何としても出たかった。やれるというより、やるつもりだった。それをチームにも見せることができた」。

 先制点は雨で幻になったが大きな意味を持つ一打だった。初回、吉見からいきなりの中前打。左手の患部はまだ腫れた状態だったが、気持ちが勝った。練習時には左手に緩衝材をつけてフリー打撃に臨んだ。だが試合を休むつもりは毛頭なかった。

 「ホテルで(バットを)振って(痛みを)確認したら昨日の方がましだった。でも、これから良くなる。こんな残り数試合のところで離脱したくなかった」

 優勝争いが佳境を迎えた状況で、チームに迷惑を掛けることはできない。

 そんな気持ちは、赤星をかえした新井も同じだった。1死三塁のチャンスで外角への変化球に手を伸ばし、セカンド藤田の後方へと運ぶ技ありの先制中前タイムリー。記録にこそ残らないが、12打席ぶりのヒットで息を吹き返した。巨人戦に賭ける思いは並々ならぬものがある。

 「明日頑張るだけ。そういう中で戦えることが本当に幸せなことと思って、思い切ってやりたい。しっかり強く気持ちを持ってやるだけ。それしかないです」

 試合前、アップを終えると、自らマスコットバットを持って室内練習場に直行。約30分間にわたり、打撃投手の投げる白球を打ち続けた。決して腰が万全の状態で1軍に合流したわけではないが、これ以上ブレーキになる訳にはいかない。広沢打撃コーチも「明日も左かな。新井がやってくれないとね。クリーンアップがやってくれないとね」と、打線のカギを握る3番に期待を託した。

 まさかの雨天中止に顔をしかめた岡田監督も「そら気分的には違うわな。1打点くらい損したってな。それよりも気持ち的に(ヒットが1本)出るのと出ないのとで違うと思うわ。赤星にしても、あないしてバット振れたしな」と、2人の話題には表情を緩めた。

 いよいよ決戦だ。残り4試合。巨人を倒せばセ界の頂点が見える。ぺナントを賭け、最終決戦が始まる。【福岡吉央】