<ヤクルト2-3巨人>◇11日◇神宮

 見逃せばボールの高めの直球も、巨人ラミレスには絶好球だった。7回、左中間席へライナーではじき返した。「最初の打席と2打席目は低めの球ばかりだった。確かにボール球だったけど、手の届くところにきたからね」。その1球を逃さずにとらえた。原監督も「打てるボールはあの球ぐらい。非常に価値がありますよ」と主砲の集中力をたたえた。

 狙って打った1発だ。「優勝が決まったし、タイトルを少し意識して打席に立ってもいいと思う」と、今季初めて本塁打を目的に打席に立ち結果を出した。横浜村田と並んで本塁打トップの45号。「やるべきことをやった。この瞬間、ぼくは本塁打王だ。明日、村田さんに本塁打が出ても出なくても満足だ。もし彼が本塁打を打ったら敬意を表したい」と言い切った。

 最終戦は03年も最終打席で40号を放ち、ウッズ(当時横浜)と並ぶ本塁打王になった。「はっきり覚えてるよ。あの時も神宮球場だったね。今季は1本目もここだったし、記念すべき45号もここ。お世話になった神宮で打てて幸せだよ」と喜んだ。

 45本塁打、125打点は自己最多だ。1年間、用具メーカーに「グッドボイスのバットを頼む」と、たたくと甲高い音のするバットを選んで使ってきた。毎回12本収めるうちから、使うのは5~6本。そのこだわりが結果に結びついた。「今はとにかく休みたい。クライマックスに向けては切り替えて集中し、ビデオを見て臨むつもり」。日本一に向けて、ほんの少しの間だけ体を休める。【竹内智信】