<パCS第1ステージ:オリックス1-4日本ハム>◇第1戦◇11日◇京セラドーム大阪

 日本ハム梨田昌孝監督(55)が「因縁の対決」で先勝、CS初采配を飾った。かつてユニホームに袖を通した近鉄が合併して誕生したオリックスとの大一番で快勝。4番に好調スレッジを抜てきするなど積極采配が的中した。ちょうど4年前に志半ばで別れを告げた敵地で、選手、監督として在籍した「古巣」を一蹴した。

 よどみない、まっすぐなタクトが、白星に直結した。梨田監督にとって初めてのCS。試合開始から3時間16分後、柔らかな笑みをたたえて、三塁側ベンチで選手を出迎えた。「チームとしても勝つというつもりで送り出した」。ダルビッシュが期待に応え、短期決戦の要所をもぎ取った。

 時の流れを感じる、大一番だった。10日の京セラドーム大阪での最終調整。試合前、近鉄の後輩だった大石監督を一塁側ベンチ裏の監督室へと訪ねた。04年までのマイルーム。退室した後、回想した。「じゅうたんの色とか、応接セットの位置とか、違っていたねぇ」。けじめをつけ、この日に臨んでいた。

 スッキリ整理した気持ちを表すかのように、タクトはさえた。2回、スレッジが右翼席へ先制ソロ。10月1日の今季最終楽天戦では4番起用も、そこまで17試合で5番で固定してきた助っ人が火を噴いた。紅白戦2戦で6打数で4安打がいずれも長打。好調の波を見極め、稲葉を3番へ配置転換する勇気ある決断から生まれた打順だった。

 直感は環境に左右されずに当たった。「ちょっと変な感じがします。景色も違う感じがするしね」。違和感たっぷりの三塁側ベンチから、後は戦況を見つめるだけ。6回もそのスレッジが単打でチャンスを広げ、3連打などで3得点。勝敗を分ける分岐点になった。

 急きょ指名した4番が機能し、わずか5安打で4得点。満点とはいかないが「効果的と言えば、効果的だな」と目を細めた。奇襲もせずに堂々と先発に指名したダルビッシュも完投。投打の柱が大一番でそびえ立つための“添え木“のような役割をまっとうした。29年間愛した「バファローズ」をステップに、12日にも第2の野球人生の新たな幕を開ける。【高山通史】