巨人二岡智宏内野手(32)が実戦復帰する。右足首ねんざでリハビリしていたが、ようやく実戦に臨めるまで回復した。15日に宮崎入りし、翌16日にも、フェニックスリーグの試合に出場する見込みだ。クライマックスシリーズ(CS)に向けて調整するチームにとっても大きな戦力の復帰。巨人に追い風が吹いた。

 原監督に報告する二岡の表情は、やる気がみなぎっていた。「監督と今後についていろいろ話をしました」と報道陣に向けて話す表情も明るかった。ようやく先が見えてきたという喜びがにじみ出ていた。実戦復帰が決まった。「二岡は明日から宮崎に行くって言ってたよ」と、原監督もほおを緩めた。

 9月9日の中日戦(ナゴヤドーム)で第1打席に遊前適時内野安打を放った際に右足首をねんざした。翌日は球場にも来られず、ホテルで治療に努めた。結局、その名古屋遠征から帰京すると登録を抹消された。その日から、チームが猛烈な追い上げを見せる裏で、懸命のリハビリを続けていた。この日、スパイクをはいてベースランニングなどひと通りのメニューをこなせたことで、ようやく復帰へのゴーサインが出た。間に合えば、現時点では代打起用が有力だ。

 今季は左ひざ手術のリハビリでキャンプ、オープン戦を迎え、開幕になんとか間に合わせたものの、開幕戦で右ふくらはぎを肉離れするなど苦闘が続いた。不倫騒動などで騒がせたが、1軍復帰後はチームに迷惑をかけた分を取り戻そうと必死だった。10日の胴上げに参加し、CS、日本シリーズでなんとか貢献したいという思いを強くしていた。

 原監督は「二岡の場合はコンディショニングだから。全員に言えることだけど、一番大事なのはコンディショニング。チームと個々の練習とでメリハリをつけて、しっかり整えてくれれば」と言う。状態のいい選手を優先して使い、13ゲーム差を逆転したペナント終盤戦の戦い方そのままに、短期決戦を勝ち抜く構えだ。フェニックスリーグで実戦感覚を取り戻せれば、前回日本一の02年、日本シリーズでMVPを獲得した勝負強い男が戻ってくる。【竹内智信】