<セCS第1ステージ:阪神7-3中日>◇第2戦◇19日◇京セラドーム大阪

 阪神がクライマックスシリーズ(CS)第2ステージ進出へ逆王手をかけた。19日、中日との第2戦(京セラドーム大阪)で、先発下柳剛投手(40)が6回途中2失点と「竜キラー」の本領を発揮し、鳥谷敬内野手(27)の2発などで快勝。負ければ今季限りでの辞任を表明した岡田彰布監督(50)にとってラスト采配となる一戦で、踏みとどまった。03年日本シリーズ第6戦から続いたチームのポストシーズン連敗も9で止めた。20日の第3戦(京セラドーム大阪)で、勝つか引き分けで巨人との第2ステージ進出が決まる。

 まだ終われない。鳥谷の“未練”が、スイングを鋭くした。135キロ。チェンの内角速球を右翼席にはじき返した。理想的に1点が刻まれた1回の先制を、追撃3ランでふくらませた。

 鳥谷

 勝つことだけを考えて、いつも通りの試合をやろうと(ミーティングで)話し合っていた。金本さんのヒットで1点が入って、楽な気持ちで打席に入れた。でも、1点でも多く取りたいですから。

 1回に勢いをつけて、2点差とされた6回には3番手中田から右翼ポール際にソロアーチ。今季初の1試合2発。負けられない一戦で、鳥谷がぶっ放した。

 岡田監督

 久しぶりに(1回に)1点入ったという感じのところに、すぐに出た。昨日負けていて4点は大きかった。6回も2点差になって嫌な雰囲気。いいところでのホームランは久しぶりじゃないか。

 指揮官は「鳥谷」の名前は出さずに、どでかい仕事を褒めちぎった。今季限りの辞任が決まり、「5年間の総決算」と意気込んでいたCSの初戦につまずいた。負けた瞬間、ユニホームと別れを告げなければいけない。もう1試合の舞台を用意したのが、早大の後輩で、ルーキーイヤーから遊撃で使い続けた鳥谷だった。

 鳥谷

 いいときも悪いときも使ってくれた。監督が辞めるからとかではなく、1試合でも多くやりたい。それには勝つしかない。

 13ゲーム差をひっくり返され、岡田監督の辞意を聞かされた。信じられなかった。チームが勝てなかったことの意味を思い知らされた。岡田監督に恩返ししたい。誰よりも強く、勝利を願うようになった。

 岡田監督

 これでもう1試合できる。みんなでもう1試合やりたい。どうなるか分からないけど、最後の力を振り絞ってな。

 ようやくつかんだ1勝が、次への道を開いた。もう1試合できる。鳥谷に救われた岡田監督がもう1試合、采配を振るう。【町田達彦】