日本ハムのライアン・グリン投手(33)の今季限りでの退団が濃厚となった。24日、新千歳空港から成田経由で米国に帰国。グリンは来季も日本ハムでプレーする希望を口にしたが、大幅な減俸は必至。他球団が獲得に乗り出す可能性が高く、球団は無理に引き留める方針はなく、2年目の助っ人右腕は退団することになりそうだ。

 グリンの日本ハム3年目は、かなり困難な状況になってきた。ラフな格好で新千歳空港から帰国の途に就いたグリンは「日本ハムで再度プレーしたい、それを目指すことには変わりない」と話しながら「もし減俸なら?

 申し訳ないが今は答えられない」と口をつぐんだ。

 2年契約最終年の今季は年俸1億4000万円(推定)。シーズンは7勝止まりで、9勝した1年目より勝ち星が伸び悩んだ。防御率も2点台から3点台に落ちた。球団幹部は「これからの交渉次第。条件で折り合えば」と再契約の意向はあるが、大幅減俸が必至の状況になっている。

 近日中に代理人との交渉が始まるが、明らかに高年俸がネック。減俸でも強い残留意思があれば別だが、この日は明言を避け、減俸を受け入れないことが予想される。06年度の楽天時代も含め日本で通算23勝し、昨季は交流戦MVP、防御率リーグ3位などの実績があり、他球団も関心を持つ可能性が十分ある。

 グリンは「米国(球界復帰)は今のところ考えていない」と、あくまでも日本でのプレーを希望。クライマックスシリーズで2試合KOされた雪辱の思いもある。ただ、ダウン提示の方針を固めている日本ハムは、争奪戦になった場合のマネーゲームに参戦する意思はないのが現状だ。

 今オフは「ゴルフや家族との時間を大切にしたい」と話し、長男カイル君(9)が所属する野球チームの臨時コーチ役する予定だ。「しっかり準備する気持ちを忘れず過ごしたい」という言葉を残して帰国したグリンだが、このまま退団する可能性が高まった。