指導2日目はトルネード・ツーシームだ。オリックスの秋季高知キャンプで野茂英雄臨時投手コーチ(40)が13日、自身の秘密兵器だったツーシームを実演投球した。清川栄治投手コーチ(47)から「昨晩のミーティングで話していた球を投げてほしい」と要望され、多彩な曲がりを披露。野茂塾は連日大盛況となった。

 秋晴れの高知でトルネードがよみがえった。指導2日目で初めてグラブを手にした野茂氏が、清田ブルペン捕手を相手にキャッチボールを始めた。大きく振りかぶって体をひねるフォームは、現役そのままで、ツーシームを披露した。野茂氏は日本時代やメジャーの前半はフォーシームのストレートしか投げなかった。ストレートとフォークしかない野茂氏だが、メジャーの後半はツーシームを習得し、ストレートでも変化をつけてゴロを打たせる投球術も身につけていた。

 清川投手コーチは「握りだけで3、4種類。スライダー回転で右打者の外角に落としたり、シンカー気味に内角に落としたり…。本当にイメージ通り投げ分けていました」と話した。

 清川コーチは早速、金子へのツーシーム伝授を依頼。投手板の一塁側か三塁側を踏むかで打者の印象が全然違うことも含め、ブルペンで指導が施された。「縫い目の位置を変えるだけで変化も変わる。今まで考えてなかったことを教えてもらいました」。感激の金子ははや習得に手応え。大石監督も「苦しい時に生きるし投球の幅が広がる」と大満足だった。惜しげもなくすべてを披露する野茂ワールドにオリックスナインはぞっこんだ。