広島東出輝裕内野手(28)が21日、プロ10年目で初のベストナインに輝いた。セ・リーグの二塁手部門で141票を集め、2位の中日荒木(18票)以下に大差をつけて選出。この日、都内で行われたコンベンションに出席し、受賞した。攻守にわたって活躍したことが評価され「今年から、あと5年くらい続けてとりたい」と意欲を語った。今季は名実ともにカープのチームリーダーに成長。栄えある賞を獲得し、来季はさらなる飛躍を期す。

 カープでの苦節10年目で「一流の勲章」を勝ち取った。晴れやかな表情でコンベンションに参加。ベストナインに名を連ね、東出は率直に喜びを口にした。

 東出

 個人的に一番欲しい賞だった。平均的な、トータルの評価をしてもらって、個人的にうれしい。今年から、あと5年くらい続けてとりたいですね。

 今季は138試合に出場し、自己最高の打率3割1分をマーク。不動の二塁レギュラーとして、チームを支えた。無我夢中で駆け抜け、プロ初のベストナインという形で結実。ダントツの141票を集めて、名手で鳴らす2位の中日荒木(18票)らを大きく引き離した。プロ初タイトルにも気を引き締める。12年までの連続受賞を自らに課した。

 東出

 何年も続けないと意味がないです。(荒木さんに)1回勝ったくらいでは…。ずっとです。一番欲しいのは首位打者や最多安打。ベストナインも、その1つでした。将来的には(ゴールデングラブ賞と)2ついっぺんに欲しいです。

 今オフは取得したFA権を行使せずに、広島残留を決意。4年契約を結んだ。来季のクライマックスシリーズ進出、そして優勝を狙うために、期待は大きい。松田オーナーも「(受賞は)名誉なこと。チームで素晴らしいリーダーだけど、周辺のチームからも認められるリーダーになってもらいたい」と話すなど、信頼は絶大だ。若きリーダーとしての自覚もある。今秋のドラフト1位で岩本貴裕外野手(22)が入団。亜大の先輩にあたる永川から「教育係」に指名されたという。東出も「どんなヤツなんですか?

 厳しく行きますよ!」と笑顔で話した。

 16日からは大分・湯布院リハビリキャンプに参加するなど、激戦の疲れを癒やしてきた。

 東出

 来年の気持ち(が高まるの)は、どれくらいからだろ?

 正月前から、「オフは終わり」となってくる。今はそういうこと(来季の目標)を考えない。

 ベストナインに輝き、08年シーズンのフィナーレを華々しく締めくくった。ステップアップを図る来季に備えて、いまはひたすら力を蓄える。【酒井俊作】