阪神鳥谷敬内野手(27)が、プロ5年目で初のベストナインに輝いた。21日、東京都内のホテルで「プロ野球コンベンション2008」が行われた。阪神からは鳥谷と金本知憲外野手(40)がベストナイン、久保田智之投手(27)が最優秀中継ぎ投手賞、平野恵一外野手(29)がカムバック選手賞を受賞した。鳥谷は阪神の遊撃手で74年の藤田平氏以来34年ぶりの栄誉に輝いて、来季の目標にベストナインとゴールデングラブ賞のダブル受賞を掲げた。

 笑みはなかった。鳥谷は、初めてのベストナイン受賞に対して、戸惑いを口にした。「うれしいですけど、全然(賞に)絡んでいるとは思っていなかった。考えたことがなかった。(候補が)いなくてもらったという感じ」と話した。

 今季は144試合フルイニングに出場して打率2割8分1厘、13本塁打、打点80をマークした。しかし守備ではチームワーストの15失策を犯しており「誇れる成績じゃない」という。それだけに「本当に岡田(前)監督とコーチの方々が使い続けてくれたからだと思う」と早大の先輩でもある恩人に感謝した。

 プロ5年目の受賞にも「早い、遅いというよりも使い続けてくれたおかげ。(岡田)監督が辞める年にとれたというのは、そういううれしさはあります」と話した。

 本人は控えめだったが、阪神の遊撃手として34年ぶり3人目の栄誉となった。そして虎の名遊撃手列伝を継ぐ第1歩になるかもしれない。過去には吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)と藤田平氏の2人だけ。吉田氏は初受賞の55年から6年連続を含めて9度、藤田氏は69年からの3年連続を含めて6度も受賞している。鳥谷は「ラッキーというか、こういう形でとれたことで、新たな目標としてできるかなと思う」。予想外の受賞を意識改革のきっかけとして、さらなる成長を目指す考えを示した。

 来季の目標には、2年連続のベストナインとゴールデングラブ賞のダブル受賞を掲げた。「2つを取れるようにしたい。打つ方は1つのラインとしてきっちり(打率)3割もあるし、守りでもエラーをひとケタにして、数字を残して取りたい。来年は(自分で)取ったという感じにしたいと思う。胸を張ってここにこられるようにしたい」。

 歴史に名を刻む先人たちに少しでも近づく名遊撃手へ。ベストナインを、今後の成長の道しるべにする。【益田一弘】