“アニキ”から愛のムチが入った。日本ハム中田翔内野手(19)が23日、札幌ドームで、入団後初めてのファンフェスティバルに参加した。前夜に食事をともにした兄貴分のダルビッシュ有投手(22)から「てんぐになるな」とカツを入れられたことを明かし、気持ちを締め直した。来年4月3日に同じ札幌ドームで行われる、開幕戦(対楽天)でグラウンドに立っていることを誓っていた。
笑顔が絶えなかったファンフェスティバルが終わると、表情は真剣モードに入った。中田が、ダルビッシュから受けた“焼き肉講義”を振り返った。「いろいろ大事なことを言ってもらいました。『1軍で結果がゼロなんだから油断するな。てんぐになるな。オレは結果を残して初めて褒めたる』と言われました。自分はまだまだだなと思った」。前夜、球団納会が終わったその足で、2人はタクシーに乗り込んだ。行き先は札幌市内の飲食店。そこで満足のいくシーズンを送れなかった自分に対する、“アニキ”からのカツが待っていた。
2月の春季キャンプ中だけではなく、ダルビッシュが調整で鎌ケ谷を訪れた際にも2人で練習するなど、常に目をかけてもらってきた。不安も大きい初めてのオフ。「『オフもちゃんと練習せえよ』って。アップの仕方だとか、いろいろ教わった。ダルさんの言葉通りやってたら間違いないと思う」。勝負の2年目へ向けて、暗闇を歩くようだったオフの過ごし方に、一筋の光がさした気がした。
後輩に愛のムチをふるったダルビッシュは、その言葉を有言実行している。イベント内のトークショーで「(シーズン終了後)3日休んで、その後はずっと(練習を)やっています。今がピーク。吐くくらいやってますよ」と告白。来年3月にWBCが控えることもあり、体をゆるめることはしていない。「せっかく自分の時間があるのに、やらないともったいない。やらないと不安なので」。ガッシリとした先輩の体を間近で見た中田にも、言葉を超えて伝わってくるものがあった。
中田にとっては、左手首を負傷してベンチで見ていることしかできなかった、6月のイースタン西武戦以来の札幌ドーム。4万3132人のファンの前で卓球大会や三輪車競争に参加した。「楽しかった。こんなにファンの方が入ってくれているのを見たら、久々に興奮した。開幕戦?
そのときにはいたいと思う」。照準は4月3日の楽天戦。マウンドに上がる背番号11と、豪快なスイングで相手を威圧する背番号6が、スタンドを熱くしているはずだ。【本間翼】



