「トラの鉄腕」が「ハマの番長」に弟子入り志願!?

 阪神久保田智之投手(27)が24日、兵庫・西宮市内の甲子園クラブハウスを訪れ、横浜からFA宣言して阪神移籍が確実視される三浦大輔投手(34)の入団を心待ちにした。来季は先発転向に挑戦する右腕は、阪神の右投手では92年・中込伸(200回2/3)以来、17年ぶりのシーズン200イニング超えにも意欲満々。05年から2年連続で大台を突破した三浦のような先発完投型を理想に掲げ、開幕ローテ争いに参戦する。

 移籍が実現すれば、強力なライバルになる。それでも久保田は「ハマの番長」の虎入りを願った。「そういう投手が来られたら勉強になる。先発ローテ争いは激しくなるけど、チームが強くなるためにプラスだから」。

 来季は真弓新監督の意向もあり、先発転向に挑戦する。「自分はまず先発ローテに入ることが第一」。今季、3本柱を形成した安藤、下柳、岩田の他にも、先発の座を狙う人材は豊富。そこにハマのエースが入り込めばさらに競争が激化するが、トラの鉄腕は三浦を歓迎する姿勢を見せた。

 「勉強になる」-。久保田が目指すのは先発完投型だ。今季は安藤、岩田の2完投がチーム最多だったが「先発をやる人なら、当然みんな(完投を)考える。(シーズン投球回数200イニングは)チームに貢献した数字の表れ」ときっぱり。阪神では04年井川(200回1/3)以来5年ぶり、右投手に限れば92年中込(200回2/3)以来17年ぶりの大台突破にも意欲を見せる。そう考えれば、05年から2年連続で200イニング超えを果たしている三浦はまさに理想の姿。FA右腕を手本とし、激しいローテ争いを勝ち抜く覚悟だ。

 その土台を作るために、来春も投げて投げて投げまくる。昨春は沖縄キャンプ合計で2000球超、今春も約2500球で「投げ込み王」に輝いた。その結果、07年は日本最多記録を更新するシーズン90試合登板を記録。今季も69試合で右腕を振り抜いた。「(先発に転向しても)調整法は変えない。キャンプ初日から投げ込みます」。「ハマの番長」ばりのエースを目指して。久保田の挑戦は、もう始まっている。【佐井陽介】