北京五輪野球の日本代表監督だった星野仙一氏(61=阪神シニアディレクター)が28日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で中日の全候補選手が辞退した問題に触れて「もっとファンのことを考えるべきだ」と苦言を呈した。

 この日、大阪市内で行われた同氏を支援する「虎仙会」に出席。星野氏は「出たくないやつは、出なくていい。ただ、そのチームを応援するファンは寂しい思いをする。国際大会に出た選手たちが打った、投げたというのに関心があるはずだ」と語った。

 これまでに第1次候補として48選手がリストアップされたが、岩瀬、森野、高橋、浅尾、和田の中日勢5人が辞退し、原監督、山田投手コーチらが困惑。一方、中日落合監督が「辞退は選手の意思であってボイコットではない。FA選手に配慮があって、なぜ日本に残る選手に配慮がないのか」と反論していた。

 日の丸を背負った星野氏もメンバー選出の際、各チーム事情などが絡んで頭を悩ました。Aクラスのかかったパ・リーグの監督から「投手2人をもっていくのはやめてほしい」と懇願されるなど苦慮。同氏は全日本を率いる厳しい立場を知るだけに「こんなに早く不参加を表明するべきじゃない。(WBC開催時期の3月は)キャンプ、オープン戦しか話題がなく、ファンは楽しみにしている」と中日サイドの姿勢を疑問視していた。【寺尾博和】