「誠」の旗印のもと、チームの勝利のために体をささげる。日本ハム金子誠内野手(33)が6日、鎌ケ谷で自主トレを行った。二岡が加入した今季は、不動だった遊撃手の定位置争いが激化。ポジション死守のためにも、先のことばかり考えてセーブするのではなく、全力プレーで「玉砕」する覚悟を決めた。

 昨年から続く股(こ)関節痛は完治していないが、けがから逃げることをやめた。「今年は玉砕しますよ。もし(体が)壊れたらオレはそこまでの選手というくらいの気持ち」。選手会長という立場も後輩に譲り、禁酒も「ビール1缶だけ」と継続(?)中。今季にかける意気込みは半端じゃない。

 金子の打席でスタンドを彩る「誠」の旗は、江戸幕末の治安部隊・新選組のもの。20人以上の尊攘過激派にわずか4人で踏み込んだといわれる池田屋事件など、幕府のために体を張った浪士たちと同じように、チームのV奪回へ故障をおそれずに献身する。

 9日からは稲田、金森とともに毎年恒例となっている山梨合宿。起伏のあるゴルフ場を利用して体をいじめる。「しっかり体をつくって、(紅白戦などで)1打席でも多く立ちたい。(キャンプ初日の)2月1日には中田と特守をやりますよ」。実力拮抗(きっこう)の乱戦パ・リーグを鎮圧する。【本間翼】

 [2009年1月7日10時10分

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