【テンピ(米アリゾナ州)22日(日本時間23日)=四竈衛】「WBCでメジャーにもアピール」。WBC日本代表候補の広島栗原健太内野手(27)が4年目となる同地のスポーツジム「アスリート・パフォーマンス」での自主トレを公開し、国際舞台での活躍を誓った。昨年10月に受けた右ヒジ手術から順調に回復しており、WBC出場への準備も着々。23日の打ち上げを前に、成果十分のトレーニングを披露した。

 ボールをはじき返すスイングスピードは、本来のものだった。米自主トレ打ち上げを翌日に控えた栗原は、約6時間以上にも及ぶ練習メニューをサラリとこなした。「ヒジのリハビリで来たんですが、今のところ順調で思うように進んでいます」。昨年10月17日に米ロサンゼルスで受けた右ヒジ遊離骨(ネズミ)除去手術後の経過も良好。温暖な同地での収穫は、十分過ぎるほどだった。

 昨季、不動の4番として打率3割、100打点を達成した栗原にとって、09年へ向けるモチベーションは例年以上に高まっていた。その第1が代表候補に挙げられているWBC。「まずは最終メンバーに入ることです。ただ、出るからには試合に出たいですし、すごくいい経験になると思います。自分をアピールできたらいいですね」。これまで高校時代を含めても国際大会の出場経験はない。だからこそ、世界の一線級選手が集まる舞台への思いは強い。

 今回で4年目となるアリゾナ自主トレを重ねるうちに、将来のメジャー挑戦を漠然とした夢ではなく、確か目標として掲げた。1年目は練習初日の翌朝に身体が動かないほどだったのが、今回は右ヒジ手術後にもかかわらず、自ら直訴してメジャー選手とのグループ練習に参加。ほぼ通訳なしでメニューをこなせるほどになった。「本当にいい刺激になります。ここに来てメジャーを考えるようになってきた。将来的にここでやりたいという気持ちになりました」。昨季ア・リーグMVPペドロイア(レッドソックス)をはじめ、クリスプ(ロイヤルズ)、イーシーアー(ドジャース)らメジャー主力級選手の動きを見ることは、何よりの教材だった。

 その目標のためにも、WBCの舞台は絶好のステップとなる。「とにかく選んでもらえるように合宿ではアピールしていきたい。ホームランと、いかにチャンスに打てるか。今の時点でやれることはやれていると思います」。25日(日本時間)の帰国を前に、日焼けした栗原の顔には、自信がみなぎっていた。

 [2009年1月24日10時49分

 紙面から]ソーシャルブックマーク