マエケンさんのすべてを盗みます-。広島のドラフト2位・中田廉投手(18=広陵)が24日、大野練習場で初のブルペン入り。捕手を立たせて直球のみ31球を投げ込んだ。大型右腕の理想のフォームは前田健。同投手の指導で現在フォーム改良中だ。盗むためには、1軍入りを果たさなければならない。「早く1軍に上がりたい」と目を輝かせた。
4年目左腕斉藤の横で、ルーキー中田の右腕がしなる。188センチの長身から繰り出されるストレート。受ける捕手のミットが乾いた音を立てる。大器の片りんをのぞかせる31球だった。「初めてで緊張しました。でもそこそこ投げられた。上出来ではないですけど、よかったと思います」。“大役”を終え、白い歯がこぼれた。
中田は現在、フォームを矯正中だ。左足がインステップするクセがあり、三塁側に着地して体が流れてしまう。腰にも負担がかかる。前田健からは「試合もあるから、少しずつ直していけばいい。自分もそうだったから」と助言された。
理想のフォームは前田健だ。キャッチボールに見入ってしまうほど、心酔している。「あの細い体で、どうしてあれだけの球が投げられるのか」。軸足に力を入れ、下半身がゆっくり始動する前田健の独特のフォーム。「自分は下半身の始動が速い。ゆっくりした動きから速い球が来た方が、打者は打ちにくい。前田さんはきれいで無駄のないフォーム。足をフワッと上げて、最後にバーンと来る」。
羨望(せんぼう)のまなざしは、フォームだけでなく、投球術にも向く。カーブ、スライダー、チェンジアップ、そして直球を駆使して交わし、押す。中田は昨年、前田健の登板をテレビで観戦する度に「どうして、この体でここまで抑えられるのか」といつも感じていた。「ピッチングがうまい。盗みたいです」。
高卒ルーキーの中田は、キャンプは日南スタート。盗むためには1軍昇格を果たさなければならない。「早く1軍に上がりたいです」。モチベーションはもうひとつある。広陵高時代の恩師・中井監督への恩返しだ。中田は昨夏、甲子園に出場したが2回戦で敗れた。「プロで活躍して、新球場に招待したい。僕のユニホームを着て観戦に来てほしいです」。そう言って、期待の大型右腕は笑った。【網
孝広】
[2009年1月25日10時38分
紙面から]ソーシャルブックマーク




