ソフトバンクの快速右腕、岩崎翔投手(19)が、開幕ローテーション入りへ猛アピールだ。8日に今キャンプ初めてのフリー打撃に登板して、川崎宗則内野手(27)と城所龍磨外野手(23)を相手に計46球で安打性の当たりは8本。直球だけの勝負も、川崎を「打ちにくかった」とうならせ、城所のバットを折った。高卒2年目の飛躍を目指す「金の卵」に、秋山幸二監督(46)は今後もチャンスを与えていく方針を示した。
スローモーションのように緩やかなフォームから一転、歯を食いしばった岩崎が右腕を振り抜くと、矢のような直球が放たれた。2人目の打者、城所への初球。内角を突いたボールは「ビシッ」という鈍い音ともにバットをへし折った。
城所には20球でボールはわずか1球、安打性の当たりも3本だけ。「ブルペンではそんなにストライクが入らなかったのに、打者相手では大丈夫だった。心配ないかなという感じ」。バット折りについては「たまたまです」と振り返ったが、端正なマスクは思わずほころんだ。
直球だけの投球ながら、全46球で柵越えは1本も許さず、長打性の当たりさえなかった。1人目の川崎には26球を投じて安打性の当たりは5本。詰まらせる場面が数多く見られた。15日からWBC日本代表候補合宿を控える正遊撃手も「ゆったりして力感のないフォームから、ピュッと球が伸びてくる。打ちにくかった」と舌を巻いた。
打撃ケージ後方で見守った秋山監督は「真っすぐだけなら、いつでもストライクが取れないと」とした上で「(体の)バランスが良かったね」と評価した。開幕1軍やローテ入りについても「競争なんだから可能性はある。こちらの用意した段取りをクリアしてくれればね」と、紅白戦やオープン戦などでチャンスを与え、判断する方針を示した。
今季2年目を迎える19歳が目標に掲げるのが「開幕ローテ入り」だ。昨季は2軍で12試合5勝2敗、防御率1・93の数字を残し、ファーム日本選手権では1失点完投でMVPを獲得した。一方で1軍では7月23日オリックス戦で初先発を任されたが、3回7安打3失点で降板。結局、登板1試合にとどまり、「1軍で結果を出せなかったのが…」と悔いを残した。
1月の自主トレでは和田に弟子入りし、一流の調整法を学んだ。体幹を鍛えるためカヌーをこぐ練習にも参加。体重は同期間中に3キロ増の78キロに達し「みんなに『体が大きくなった』と言われます」。キャンプでは「上からたたき落とす感じ」で腕を高い位置で振るフォームへと修正中だ。19歳の大器は日々進化を続け、開花の春を待つ。【太田尚樹】
[2009年2月9日9時55分
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