男・村田は王や!?

 WBC日本代表候補の横浜村田修一内野手(28)に、大矢明彦監督(61)が世界の王を重ね合わせた。沖縄・宜野湾キャンプ第3クール最終日の14日、村田のフリー打撃に大矢監督が自ら「打撃捕手」を務め、打撃を間近で凝視。「勉強になった。捕手から見てバットがなかなか見えない。王さんがそうだった」とうなった。

 午前中の雨が上がった後、メーン球場でのひとこまだった。フリー打撃での打撃捕手が足りずに、大矢監督が自らマスクを買って出た。無駄な待ち時間を取らせない指揮官の配慮だったが、自軍の4番の力を再確認することになる。「やっぱりコンパクトだよねえ。後ろが小さくて前が大きい。捕手からバットがなかなか見えない。バットにボールが乗せられるもんな」とうなずいた。

 ヤクルトで長く正捕手を務めた大矢監督の脳裏には、WBC日本代表監督相談役のソフトバンク王貞治球団会長(68)の現役時代が浮かんでいた。「左と右で違うけど、長距離打者だね」と話した。村田も大矢監督の配慮に「就任された1年目もやられてました。ありがたいです」と喜んだ。

 村田は特打でも5本の柵越えと好調だ。15日に日本代表合宿が行われる宮崎に入る。「自分はアピールをするつもりはない。アピールより自分の野球をするだけ。あとは選考する方の自由。村田修一のスタイルを崩さずやっていきます」と力強かった。大矢監督の最高の送り出しに、おとこ気でこたえる。【今井貴久】

 [2009年2月15日8時35分

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