<広島2-0中日>◇11日◇マツダスタジアム

 中日がマツダスタジアムの太陽に負けた。0-0の8回裏無死一塁。2番手清水昭信投手(25)が投前小飛球を処理しようとした際、西日が目に入り落球。1死二塁となったのをきっかけに、3投手が2者連続押し出しを含む4連続四球で2失点した。打線は広島前田健に抑え込まれ、5安打完封負け。デーゲームのまぶしさ対策が焦点だった新球場で、連勝を狙う落合竜が落とし穴にはまった。

 強烈な西日に清水昭の目がくらんだ。8回無死一塁のバント処理。余裕を持って捕球態勢に入りながら小飛球を見上げた。「ちょうと(太陽が)目に入っちゃいました」。差し出した左手のグラブがボールをはじく。捕手小田があわてて拾い上げたが、一塁をアウトにするのが精いっぱい。結果的に送りバントを許した形となった。

 このプレーをきっかけに救援陣が崩れた。清水昭は栗原敬遠、シーボル四球で降板。代わったパヤノが代打緒方に押し出し四球を与え、さらに4番手斉藤も代わりばなに押し出し四球。3投手がノーヒットで2点を失った。打線が広島前田健に抑え込まれていただけに、あまりに痛い太陽のいたずらだった。

 広島の新球場は当初からデーゲーム時のまぶしさが指摘されていた。公式戦開催2戦目のこの日も、サングラスメーカー「オークリー」の担当者が両球団を訪問。可視透過率23%が標準とされる中、7段階で1番暗い9%のものを配った。同担当者は「9%を日本のプロ野球選手が使うのは初めて。陸上とか釣り用です」と説明。和田、藤井、野本らは黒いサングラス姿で外野守備についた。投手の清水昭は、日差し対策なしで飛球を見上げたのが災いしたようだ。

 落合監督は「負けた気がしない?

 負けは負け。負けですよ。点を取るか取らないかというゲーム」と、静かに敗戦を受け止めた。チーム練習を行った3月19日を含め、新球場について不満を漏らしたことはない。条件はどちらも同じ。特徴をインプットし、12日に再び行われる魔のデーゲームでカード勝ち越しを狙う。【村野

 森】

 [2009年4月12日12時9分

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