<中日3-5巨人>◇17日◇ナゴヤドーム

 オレ竜が今季最初の巨人戦に敗れた。先発吉見一起投手(24)がプロ初めてとなる1試合3被弾を喫して今季初黒星。落合博満監督(55)ら首脳陣は名指しこそしなかったが、スタメンマスク小田幸平捕手(32)のリードミスを指摘。広い本拠地ナゴヤドームで「守り勝つ野球」を掲げているにも関わらず、本塁打を連発されたことに怒りを見せた。チームは2連敗で3位に転落した。

 敗戦後、落合監督は笑みを浮かべて会見場にやってきた。ただ、吉見の3被弾を問われると表情とは裏腹にやや怒気を込めて言った。「この球場でああいうホームランを打たれるのは考え違いしたんじゃないか。だれとは言わないが。東京ドームで空中戦やってもいいけど、この球場で空中戦やったらだめだ。ちょっと考えれば防げる失点だ」。名前こそ口にしなかったが指揮官の言う『だれ』がスタメンマスクの小田であることは明らかだった。

 初回に3点をもらった先発吉見はまず2回、李に外角フォークを右翼スタンドへ運ばれた。そして致命的だったのは3-1で迎えた4回、ラミレスに浴びた同点2ランだ。カウント1-2のバッティングカウント。ここで捕手・小田は内角直球を要求した。吉見の投じた142キロ直球はやや真ん中に入り、打球は左翼席中段へと消えた。

 結果的に吉見の制球ミスもあったが、田村捕手コーチは「キャッチャーだね。1-2から投手はストライクを欲しがるから、あそこ(内角)にいってはいけない」と小田のリードミスを指摘。森バッテリーチーフコーチも「投手が悪いのか、捕手が悪いのかは知らないが、ミーティングで話し合っていることと実際にやることが違う。ラミレスに内角で勝負しなくてもよかったんじゃないか」と配球に首をかしげた。

 その後、李にはまたもフォークを2打席連続のソロ本塁打とされて決勝点を奪われた。3試合ぶりにスタメン起用された小田は試合後、報道陣に囲まれると「いい。きょうは」とだけ言い残して球場を後にした。

 正捕手谷繁が故障離脱した8日のヤクルト戦以降は小田と小山を併用しているが、8試合で2勝6敗と苦戦。落合監督は「若い選手なら勉強で済むが、中堅クラスは勉強じゃ済まない」と早くも捕手陣の入れ替えを示唆した。【鈴木忠平】

 [2009年4月18日12時7分

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