<広島2-1阪神>◇26日◇マツダスタジアム

 あと一歩だった。1点を追う9回表2死一、二塁。8番狩野が初球から積極的にバットを振った。打球は右前ではねる。二塁走者の新井は迷わず三塁ベースを蹴った。勝負を分けるクロスプレーに歓声が上がった。右翼手の広瀬がストライク返球でタッチアウト。この瞬間、今季初の4連勝を逃した。真弓監督は悔しそうな表情でグラウンドに背を向けた。「最高のボールが返ってきた。少しでも、逸れていたら…」。たられば、の話もしたくなる結末だ。貯金生活は紙一重の差でお預けとなった。

 敗れはしたが、理想の野球にまた一歩前進した。6回の攻撃は称賛に値する。2死一塁から鳥谷がベンチの指示に応え、今季初盗塁に成功。得点圏に進んだところで、桜井が三遊間を破る先制打を放った。「1点入ったんで、よかった。状態はいいので、これからも続けていきたい」。こう振り返った桜井は、これで3戦連続のタイムリー。この日はクリーンアップ3人で1安打に終わったが、それでもスキを突けば、得点を奪うことはできる。

 桜井や鳥谷-、若い選手の気迫がグラウンドで見られるようになった。最終回の狩野もその1人。代打桧山が敬遠されるのを目の前で見た。「絶対に(走者を)還してやろういう気持ちだった。でも負けてしまったんで…」。緊迫する場面での初球打ちは、気持ちと体がひとつになっている証しでもある。先発した新戦力ジェンも好リードで導いた。若い力の突き上げ。ベテランとうまくかみあえば、今後に大きな楽しみを残す。

 最終回に逆転に成功していれば、4月8日以来となる貯金1になっていた。9連戦も含まれる黄金週間に向け、勝っておきたい一戦だった。この話題を振られると、真弓監督は「そやね、ハハハ…」と苦笑いでかわした。悔しさで言葉を飲み込んだようにも見えた。本塁で憤死した新井も「特に何もない」と厳しい表情で帰りのバスに乗り込んだ。勝利に飢えた思いで、チームがひとつにまとまってきた。今回はお預けとなったが、貯金生活は間もなくやってくる。【田口真一郎】

 [2009年4月27日12時13分

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