<広島1-2巨人>◇17日◇マツダスタジアム

 首位を快走する巨人が引き分けを挟んで3連勝を飾り、交流戦前の最後の試合で貯金を最多の15にまで積み上げた。雨で開始が1時間遅れた広島9回戦は投手戦となり、1-1の9回1死三塁、広島永川の暴投で代走工藤が決勝ホームを踏んだ。ヒーローインタビューには、先発東野とともに4回に先制1号を放った脇谷が選ばれ、今季25勝で実に18人目のヒーローとなった。多彩で層の厚い戦力で、19日からパ・リーグとの戦いに臨む。

 原辰徳監督(50)がベンチから飛び出した。1-1の9回1死三塁。坂本が初球をファウルにした直後だった。両脇をキュッと締め代走ポーズをとると、走者阿部に代わって50メートル5秒8の俊足工藤が三塁へ。広島バッテリーに無言の重圧をかけた。坂本への3球目、カウント2-0で永川の決め球フォークボールが捕手の後ろにそれた。迷わず工藤がホームに突っ込み生還。決勝点となった。

 直前の8回、2番手越智の暴投で同点に追い付かれた。同じ形で勝ち越したが偶然ではなかった。9回1死、代打阿部が右前打。右翼手広瀬が後逸し三塁にまで到達した。打者坂本の、カウント1-0で「代走工藤」。

 原監督

 ベンチワークの中で人数が制限されている。あそこが勝負と思った。その状態の中での暴投。工藤の足が生きた形です。坂本もしっかりボールを見極めた。

 1球の間をおいた勝負手が実を結んだ。選手もたくましかった。午前中は中止も危ぶまれる大雨だったが、1時間遅れの試合開始まで思い思いに過ごした。先制ソロを打った脇谷は真っ先にベンチに登場。少年ファンへのサインに応じながらグラウンド状態を確認し集中を高めていた。

 ナインとベンチががっちりかみ合い快進撃は続く。ベンチには25人しか入れないが、この日の脇谷を加え、開幕から38試合で18人もの選手がヒーローインタビューを受けた。エースや主砲だけではない。試合終盤で登場する若手やベテランも主役になる。この日は阿部、さらに谷や李承■といった強打者も延長戦に備えていた。「飛車・角」クラスに加え、決勝ホームを踏んだ工藤のような「香車」も控えている。

 取って置きの手駒はファームにもいた。交流戦での指名打者制にあわせ、ベテラン大道が本隊合流する。原監督は粛々と語った。「交流戦はルールが多少変わるが(自分にとって)4シーズン目。慣れているというか、予想がつく部分がある。まずは慎重に」。貯金15を引っさげ18日に札幌入り。いきなりパ首位の日本ハムと激突する。指揮官の腕が、さらにうなりを上げる。【古川真弥】※■は火へんに華

 [2009年5月18日8時49分

 紙面から]ソーシャルブックマーク