今年3月に開幕した関西独立リーグが深刻な経営危機に陥ったことが19日、分かった。同リーグから3月31日に加盟各4球団に3000万円ずつ支払われることになっていた分配金がいまだに支払われず、たびたび遅延。女性初プロ野球選手の吉田えり投手(17)が所属する神戸9クルーズは給与が滞る問題を抱え、選手に通達した。4球団の代表者はこの日、善後策を協議した。吉田えりは「節約しなきゃ」と話したが、発足からわずか2カ月足らずでリーグは存亡の危機を迎えた。

 「ナックル姫」こと吉田を迎え、3月27日に華々しくスタートした関西独立リーグが、早くも苦境に立たされた。球団経営の貴重な財源と各球団が見込んでいたリーグからの分配金3000万円が支払われず、たびたび遅延。今月15日に支払期限を設定していたが、18日になっても入金が確認できなかった。リーグ運営事務局の中村明代表(47)と連絡が取れず、入金されない理由は不明だ。4球団の代表者がこの日、大阪府内で会議を開く緊急事態になった。

 リーグの「顔」の吉田はこの日、兵庫県三田市での練習終了後、報道陣から事の深刻さを知らされた。実は神戸9クルーズナインは16日の淡路遠征中、宿舎で広田和代球団社長(48)から「5月分の給与の支払いはいつになるかわかりません」と通達されていた。同時に球団経営の苦しさを説明され、吉田は「難しくてよく分からなかった」と明かした。

 プロとして生活できず、さらには試合ができなくなる可能性もあると伝え聞き「そうなったら節約ですね!

 その時はその時のこと。今は野球をしっかりやれるように頑張ります」と気丈に話した。しかし、妻帯者もいるほかのナインは深刻だ。4月分までは受け取ったが、今後の給与が滞るようでは生活費やローンを支払えなくなる選手もいる。球団独自の打開策で広田社長からは練習時間を短縮して各選手がファン獲得運動する計画も提案されたが、中田良弘監督(50)は「我々はプロだし、練習時間は必要。せっかくリーグが始まった直後に、こんな問題が出るのはイメージが悪い」と厳しい表情だった。監督ら首脳陣には、給与遅延の説明はなされていないという。

 独自のスポンサー探しも検討する紀州レンジャーズ木村竹志代表(47)は「苦しいが、今こそ知恵を出し合うことが必要。つぶすつもりはない」と前向きに話したが、資金がなければ運営できないのが実情。ファンが注目する吉田の復帰登板を前に、リーグは存亡の危機に直面した。【堀まどか】

 [2009年5月20日9時49分

 紙面から]ソーシャルブックマーク