<楽天1-3西武>◇4日◇Kスタ宮城
日本一チームがじわりと浮上した。西武石井一久投手(35)が今季最長8回1失点の好投で4勝目を挙げ、チームを単独3位に押し上げた。テンポのいい投球を恩師の楽天野村克也監督(74)に見せつけ、メジャーで本塁打を打たれたリンデンとの対決も制した。楽天は今季2度目の5連敗で4位に転落し、野村監督の74歳初勝利は5戦連続してお預けとなった。
予測不能の石井一の魅力が詰まっていた。お立ち台で、8回好投について聞かれると「昨日、大沼くんの誕生日だったんで勝てて良かったです」と答えて、インタビュアーの目を白黒させた。去年までは西武ドームばかりで勝っていた。今季はビジターで3勝目。ついに、ここ仙台でも石井一ワールドがさく裂した。
投球も同じだった。緩急で楽天打線を自分の世界に引きずり込んだ。初回、草野にソロを許したものの、それ以降は得点を許さない。5回と6回、課題にしていた先頭打者を出塁させてしまっても、併殺で切り抜けた。今季最長となった8回には先頭の代打藤井を141キロの速球で空振り三振に仕留めた。
「長いイニングを投げるだけでなくて、少しでも楽な形で後ろにつなごうと思ってました。今までけっこう負担をかけさせていた。今日は苦しんでる時だと思ったんで、少しでも長く投げたかった」。前日に完投した涌井と2人で、小野寺以外のリリーフ陣を休ませることができた。2日にリーグ史上最長5時間42分のゲームを経験した中継ぎ陣に休息をプレゼントできたことは、チームとしても大きかった。
相手のキープレーヤーを封じた。楽天の新外国人リンデンとはメジャーで対戦経験があった。メジャー初本塁打をプレゼントしてしまっていたが「打たれているというので、警戒していきました。3Aの選手なんて覚えてないですよ。どこの選手?
ジャイアンツ?
バリー・ボンズくらいなら覚えてるけど」と余裕を見せて笑いをとった。この日は2打数無安打に抑え、貫禄(かんろく)勝ちだった。
愛用する携帯音楽プレーヤーのイヤホンからは坂本九をカバーしたウルフルズの「明日があるさ」が流れてくる。「最近は歌詞にこだわってます。次にまた頑張ろうって気にさせてくれる曲はいいですよね」。チームは単独3位になった。「もっと上にいけるように頑張りたい」という左腕の頭に歌詞が響く。明日がある、明日がある、明日があるさ。【竹内智信】
[2009年7月5日8時43分
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