<西武4-2オリックス>◇21日◇西武ドーム

 奪三振ショーでハーラー単独トップに立った。西武涌井秀章投手(23)が7回を2失点に抑えリーグトップの今季12勝目を挙げた。8安打を浴びたものの、11奪三振で要所を締めた。中3日でオールスター第2戦(25日、マツダスタジアム)のパ・リーグの先発を務める。

 今年の涌井の真骨頂だった。最後のピンチにギアを入れ替えた。7回1死二、三塁。ラロッカをスライダーで仕留めると、残るはカブレラだった。「最後だなって思ってました。タイムリーを打たれていたし、とにかく気持ちを入れて投げました」。真ん中高め146キロの速球で、空振り三振。この日の投球を締めくくるのにふさわしい1球だった。

 当初は5回100球がメドだった。ベンチで渡辺監督に「100球も120球もそんなに変わりません」と、続投を志願した。その言葉に偽りはなかった。渡辺監督は「今年の涌井はどこで力を入れて、どこで抜くというのを分かっている。7回、疲れもあったろうけど、内容的にはマックスの球を投げられるところに、すごさがある」と、あらためて評価した。

 涌井には気力だけでなく技術もある。特に優れているのは指先の感覚だ。椎木ブルペン捕手は「ブルペンではほとんど直球しか投げない。フォームのバランスと精度をチェックするだけ。変化球はキャッチボール程度なのに、試合であれだけコントロールできるのはすごい」と証言する。その技術があるからこそ、気迫がボールに伝わる。

 3試合連続2ケタ奪三振で12勝目。ハーラー単独トップだが「明日、彼が勝つと思います」と、日本ハムのダルビッシュが並んでくることを予言した。相手先発がだれであっても、常にダルビッシュと投げ合っていることを想定しながら試合に臨んでいる。好敵手のおかげで成長できた。「昨年は思うように勝てなかったんで、前半戦のこの数字は満足しています」と胸を張った。

 今季、勝ち星だけでなく奪三振数でも昨年の数字をすでに上回った。進化したエースの次の舞台はオールスターだ。「1イニングというわけにはいかない」という渡辺監督の期待にこたえ、大舞台でも三振ショーを披露する。【竹内智信】

 [2009年7月22日8時17分

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