<ヤクルト6-10広島>◇29日◇神宮

 広島が執念の猛攻で泥沼から脱した。ビハインドの展開になったが、粘りを見せた。3回に同点に追いつくと、4回には2死一塁から敵失や天谷宗一郎外野手(25)の遊撃への適時内野安打などで一気に4点を奪取。押せ押せムードで、4月12日中日戦以来の2ケタ10得点を挙げた。2回には、悩める主砲栗原健太内野手(27)が後半戦初アーチとなる12号ソロ本塁打を放つなど、深刻な貧打に陥っていた打線が爆発。連敗も「5」で止まり、負の連鎖を断ち切った。

 無我夢中だった。迷いなどなかった。天谷が頭から一塁に飛び込む。1点リードした直後の4回2死一、三塁。川島亮のフォークに食らいつき、遊撃への高いゴロになった。気迫のヘッドスライディングで、間一髪のセーフ。貴重な追加点で流れを呼んだ。天谷はナインの気持ちを代弁した。

 「勝ったので良かった。負けていても、みんなどうにかしようという気持ちはありましたから。栗さん(栗原)の調子が戻っているのも分かるし、とにかく栗さんにつなげようと」

 瀬戸際に追い詰められていた。チームは今季最長の7連敗を喫した後、1つの白星を挟んで、さらに5連敗中…。先発陣が奮闘しても打線が得点できない悪循環が続いていた。4回には無死一、二塁で斉藤が送りバントに失敗。捕飛となり二走石井も戻れず、2死になった。またもムードが断ち切れても不思議ではない場面で東出が左前に運び、勝ち越し劇へと導いた。

 天谷は5回にも2死満塁で、走者一掃の右翼超え適時二塁打を放ち、3点を追加。2安打4打点の活躍を見せた。7回の右翼守備で飛球処理の際にジャンプしたが、両足がつるアクシデントで交代。それでも背番号49のハッスルプレーが、空気を一変させた。

 4番栗原の復調も明るい話題だ。2回にヤクルト川島亮の速球をとらえ、左翼席に運んだ。後半戦初アーチとなる12号ソロ弾で先制。ナインを鼓舞する1発になった。この日は2安打2打点。2試合連続のマルチ安打となり、上昇気配を示した。責任感の強い男は「前半戦、チームに迷惑をかけたので取り返したい。どんどん打ちたい」と意気込んだ。5位阪神と0・5ゲーム差。負ければ順位を落とした危機を脱した。借金はまだ11も残る。反攻に向けて、立ち止まっている時間はない。【酒井俊作】

 [2009年7月30日11時10分

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