日本ハムが4日からの3位西武との3連戦(県営大宮、西武ドーム)で、奇襲を仕掛ける。6年目左腕の須永英輝投手(23)が06年4月以来、約3年ぶりの先発マウンドに上がることが濃厚となった。今季5勝4敗と互角の戦いをする相手に猛追を許さないためにも、たたみかけたいところ。データの少ない1軍未勝利の須永を3戦目に起用する大胆な作戦で、勝ち越しを狙いにいく。

 日本ハムが大胆な奇襲作戦に打って出る。大事な西武3連戦、その先発マウンドに、6年目でいまだ1軍未勝利の須永を送り込む。西武戦のチーム防御率は4・40とリーグの中でもっとも悪い。データの少ない「初物」をぶつけ、勝利を狙う。

 須永は今季、中継ぎとして開幕1軍を勝ち取り7試合に登板した。しかし防御率9・00と結果を残せず、4月27日に登録を抹消された。2軍降格後はイースタン・リーグで3勝2敗、防御率は3・70。目立った数字ではないが、ここ4試合は24回1/3を投げ4失点と、調子を上げている。先発マウンドに上がるのは06年4月4日ソフトバンク戦(東京ドーム)以来3年ぶり5度目となるが、「勢い」に「相手のデータ不足」をプラスし、強力打線を封じにいく。

 起用にはもう1つの理由がある。33本塁打でリーグ独走中の中村や中島など中軸に右打者が並ぶ西武だが、おかわり君が対右投手の打率3割に対し左投手が2割4厘、中島も右が3割2分5厘で左が2割8分6厘と、ともに左投手に対しての成績は芳しくない。梨田監督は中村について「ソロだったら3本打たれてもいい。3点で勘弁してという感じ」と話す。“1発OK”の姿勢も、左腕の起用で被害を最小限で食い止めにいく。

 昨年もプロ初登板の2年目ダースが西武戦に先発し、5回1失点と好投。白星にはつながらなかったが、強力打線を苦しめた実績がある。6日の3戦目登板が濃厚な須永にも、同様の期待をかけ送り込む。

 [2009年8月4日10時26分

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