<ソフトバンク6-2日本ハム>◇21日◇福岡ヤフードーム
エースでも負けた。インフルエンザ禍に見舞われている日本ハムが3連敗を喫した。エース・ダルビッシュ有投手(23)が今季最多の10安打を浴び、プロ入りワーストタイとなる6失点で5敗目。「専属捕手」の鶴岡慎也(28)を発熱で欠くなど、主力野手がそろわない悪条件。7戦不敗の福岡ヤフードームでも初黒星となった。優勝マジック点灯寸前だったが18日の新型インフルエンザの集団感染が発覚後、1勝もできず失速ムードが漂い始めた。2位ソフトバンクとのゲーム差も5に縮まった。
現実と向き合った。ダルビッシュは足早にバスへ乗り込む道中、淡々と試合を振り返った。プロ入り初の同一打者への1試合2被弾、今季ワーストで自身ワーストタイの6失点。インフルエンザ禍に見舞われたチームを救おうという思いで、最後まで1人でマウンドを守りきったが、連敗は3に伸びた。「力負けですね。絶対に勝ちたい試合だったし、勝ちたかったけれど…」と悔しさをにじませた。負の連鎖は、日本NO・1と言われる右腕でも、止められなかった。
少なからず、アクシデントの余波が影響していたような投球だった。19日に更新した自身のブログで一時は38度4分の高熱にうなされたことを告白。その日のうちに36度6分まで下がり、感染していてもおかしくなかったインフルエンザ検査の結果は陰性だった。本人はこの日の敗戦への影響を「全然ない」と否定したが、病み上がりの状態から中1日は酷だった。
1回こそ3者凡退で立ち上がったが2点リードの2回、リズムを崩す。オーティズに初球外角スライダーを左翼席まで運ばれた。薄氷の1点を守り続けた6回にオーティズにまたも初球、内角高めへ抜けた速球をスタンドまで持っていかれた。3回以降はピンチの連続。いつも以上にリードを守らなければいけない精神面、さらに肉体面の疲労が蓄積した8回に3失点で勝負あった。自分へのふがいなさからなのか、ねぎらおうとする梨田監督も“無視”するほど、自分に憤った。
平静は装っていても、正常ではなかった。発熱した日は、先発2日前のルーティンであるブルペン調整を行う日。旭川では通常の半分程度の約20球しか投げ込めなかった。ブログ上でも、倦怠(けんたい)感があったことを明かしていたが、その日は札幌へ到着後、他選手とともに検査を受けるため札幌ドームに待機。約4時間の待ち時間、ロッカー室内のベッドに体を横たえ、静養していたという。
7回1死二塁で迎えた小斉にカウント0-1としたところで、梨田監督と中垣チーフトレーナーがベンチを飛び出し、大黒柱の元へと向かった。「(フォームの)バランスが悪くて気になったので確認した」。梨田監督の交代するかどうかの意思確認も、マウンドを譲ろうとはしなかった。7戦無敗だった福岡ヤフードームでの不敗神話も途切れた。しかも首位攻防3連戦の初戦とショックは、大きい。経験不足の味方の守備のミスにも顔色を変えず、数々のピンチをしのいだが、白星は遠かった。優勝マジック点灯を前に足踏みが続く。「明日は(先発の)藤井さんを応援します」と締めくくった。チームの大ピンチの中で132球に込めた思い-。いつか報われる時が、きっと来る。【高山通史】
[2009年8月22日9時53分
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